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申し入れ・要望

≪グローバルな温暖化対策に逆行するクリーニング業界〜強力な温室効果ガス(HFC365mfc)の拡大に歯止めを〜≫
 2012年9月28日

北極海の海氷の融解が、科学者の予測を上回る勢いで進行するなど、地球温暖化問題は年々深刻化している。気候変動対策として、気温の上昇を産業革命前に比べて2度未満の上昇に押さえるためには先進国では90年比2020年25〜40%削減など大幅な削減が求められており、エネルギー起源のCO2削減はもとより、HFCなどフロン類の削減などについても、国際交渉や国内政策において急務の課題として削減強化が求められている。

しかし、こうしたフロン対策強化に向けた動向とは裏腹に、日本のクリーニング業界では新たに強力な温室効果ガスであるHFC365mfc(商品名:ソルカンドライ)を使った洗浄機を導入する動きがこの数年で加速化していることがわかった。特に、2009年に石油溶剤を違法に使用していた工場が全国で一斉に摘発されたことを受け、HFC365mfcへの転換が一気に進みだしていると見られる 。

これには、厚生労働省が「公害防止用設備に係る特別償却制度」や「公害防止用設備に係る課税標準の特例措置」(通称:エコ・クリーニング機減税)を設け、HFC365mfc等のフッ素系溶剤を使用するドライクリーニング機の取得や保有を税制優遇の対象とし、転換を推進していることも拍車をかける一翼を担っている。

一方、フロンメーカー、洗浄機メーカー、クリーニング事業者による広告などでは、HFC365mfcでの洗浄を「環境にやさしい」「エコ溶剤」などと表記し、消費者には温室効果ガスであることを一切説明されていない 。これは「不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)」にも抵触すると考えられる。

HFC365mfcは、地球温暖化係数がIPCCの20年値で2920、100年値では794と非常に高く、気候変動に対して甚大な悪影響を及ぼす化学物質である。京都議定書の第一約束期間の対象ガスには含まれていなかったが、2011年に行なわれたCOP17において、IPCC第4次報告書に記載されたガスとしてNF3などとともに新たに規制対象物質として追加されることが決定した。今後は、日本においても「地球温暖化対策推進法」等の気候変動に関わる法律で追加すべき物質であり、すでに経済産業省では、新規対象物質を条約事務局への国別報告書の対象とすることを審議会などの場で公表している。

今、フロン類を使わない分野においてフッ素系物質に転換することは、気候変動に直面する時代の要請には明らかに逆行するものであり、今後、フロン類(Fガス)排出拡大に拍車をかけることになるだろう。また、こうした時代の流れにあっては、当面の最善策として導入に踏み切ったクリーニング事業者にとって、将来さらなる転換を求められ二重投資を余儀なくされるという不幸な結果をもたらすに違いない。

以上のことから、私たち環境NGOは、厚生労働省が税制優遇策を即刻取りやめるよう求める。また政府は今後、こうした新規のフロン類(Fガス)利用の拡大を止めるためにも、COP17で対象とされた物質も含め、Fガス用途規制を実施するよう求める。また、関係業界においては、行政の指導を待つことなく速やかにフッ素系物質の使用を取りやめるよう要望する。

以上

気候ネットワーク、主婦連合会、ストップ・フロン全国連絡会、 WWF ジャパン、日本環境法律家連盟

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