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申し入れ・要望

≪「健康食品」について厳正な法執行と被害防止へ向けた総合的強化策を導入して下さい〜消費者委員会の「建議」では不十分です〜≫
 2013年2月12日

 ≪消費者担当大臣、厚生労働大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長 宛≫

消費者委員会は1月29日、「『健康食品』の表示等の在り方に関する建議」をまとめ、消費者担当・森まさ子大臣と厚生労働省・田村憲久大臣に提出しました。「建議」の項目は「健康食品の表示・広告の適正化に向けた取組の強化」「健康食品の安全性に関する取組の推進」「健康食品の機能性の表示に関する検討」「健康食品の特性等に関する消費者理解の促進」の4分野にわたるものです。

しかし、その内容は、従来から指摘されてきた論評の域を出ず、主婦連合会や消費者団体が「いわゆる健康食品」に求めてきた「届出制度・登録制度等の導入」「事故情報の報告義務化」「事故の公表制度の導入」「警告表示の採用」「新食品表示法への統一的検討」などが含まれていない、あるいは、あいまいなままになっています。

健康食品をめぐる消費者苦情相談は、全国の消費生活センターに年間1万2千件から1万5千件も寄せられています。健康被害や財産(経済)被害など、幅広い深刻事例が報告されています。

今回の消費者委員会の「建議」は、法執行体制の強化・整備では即効性・具体性に欠け、「いわゆる健康食品」への対応については、結果的に様々な施策が先延ばしにされる可能性があるものばかりです。以下、「建議」の問題点とともに主婦連合会の要望点を提起します。

【消費者委員会の「建議」の主な問題点】

1.「建議」は、「いわゆる健康食品」と「特定保健用食品」(トクホ)、及び「栄養機能食品」の3分野を「健康食品」として1つにくくっており、わかりにくい建議項目となっています。本来はそれぞれの分野の問題を踏まえ、個別に建議すべきです。

2.「いわゆる健康食品」には、商品そのものの機能性を示す科学的エビデンスはありません。エビデンスが「ない」のに「ある」かのように広告・宣伝されていることが多くの被害発生の背景にあることを消費者委員会の「建議」は十分踏まえていません。

3.第二期消費者委員会によるトクホと栄養機能食品についての調査内容や検討実績が「『健康食品』の表示等の在り方に関する調査報告」では明確ではありません。にもかかわらず、栄養機能食品については「追加すべき栄養成分の研究」、トクホについては「有効性審査基準の作成」「審査内容の開示」など、これまで指摘されてきたことが「建議」に書かれています。その反面、2年前に消費者委員会から要請されたトクホの更新制度導入については、「建議」に書かれておらず、その制度導入が遅れている理由も明らかにしていません。

4.それに加え、トクホと栄養機能食品については、許可表示以外の強調誤認表示、誇大宣伝広告、販売方法の実態、健康被害事例などの調査活動の有無を不明にしたまま、本来はそれら調査に基づく深刻な問題の提起とその改善策が必要であるのに、「建議」には盛り込まれていません。

5.しかも、「いわゆる健康食品」による健康被害事例に関する事実があいまいです。厚労省が収集する年間数十件の危害事例について、事故発生、事故内容、その経緯、食品群名など、事故内容の詳細についての調査活動の有無が不明です。PIO‐NET情報の危害事例約500件の内容については「『健康食品』の表示等の在り方に関する調査報告」に資料として掲載されていますが、それも表面的と思わざるを得ません。双方のデータを十分に付き合わせた調査活動の有無が明らかではありません。

6.「建議」は、健康食品と健康被害との因果関係が特定できるシステムの構築を要請していますが、健康食品の被害特性から考えて、いま最も必要なのは、因果関係がすぐには特定されなかったり、不透明のままであったりするような事故について、予防的観点から、それらをいかに迅速に公表し、被害の未然・拡大防止につなげるかにあります。そのための公表制度の構築こそ必要なのに、「建議」ではその視点が希薄です。

7.過剰摂取が心配される錠剤・カプセル型、及び濃縮液・粉末型食品については届出制の導入が検討されたものの、結局、「建議」には盛り込まれないことになりました。その審議経緯が「『健康食品』の表示等の在り方に関する調査報告」に掲載されていますが、「建議」として提起されなかった理由が明確ではありません。まず、届出制導入を決定し、それを「建議」として示す中で、導入に際しての課題を提起するという内容になぜできなかったのか、その理由が明確ではありません。

8.昨年消費者庁がまとめた「景品表示法の執行状況」によると、同法にもとづく消費者などからの「情報提供」は2011年度に約3,700件、うち食品表示については約1,000件あることがわかっています。その中には健康食品の違反表示に関する情報提供もあると思われますが、このデータについての調査の有無が明確ではありません。

9.健康増進法に基づく勧告・命令がなぜ1件もないのか、その理由が不明確のままです。「いわゆる健康食品」に関するインターネット広告の監視を消費者庁が実施していることが記載されていますが、同庁が要請したのに改善しない事業者がいることを昨年、主婦連合会が参加しての消費者委員会のヒアリングで当連合会が指摘しました。これら事業者に対し「勧告」しなかった理由に関する消費者庁からのヒアリングの有無が不明です。

10.その他、「建議」には、各省庁に建議するための基本的事実の把握、データ収集と分析結果が不明、もしくはあいまいな箇所がとても目立つことも問題点です。

以上、「建議」のもととなる事実を掘り起こす調査・分析が甘いことから、消費者委員会の監視機能の象徴的行為としての「建議」が、極めてあいまいで、不透明な部分が多いものとなっています。

このままでは、「いわゆる健康食品」をめぐる消費者被害は拡大する一方です。関係省庁は、被害防止へ向け、「建議」で指摘された「執行体制の整備・強化」を具体的に検討することに加え、「建議」に盛り込まれなかった次の対策を早急にとられることを要望します。

【要望項目】

1.いわゆる健康食品に対する届出制度・登録制度等の導入

過剰摂取が心配される錠剤・カプセル型、濃縮液体・粉末型などの健康食品については、成分・商品、および製造会社や工場をきちんと把握するための届出制あるいは登録制などの導入が必要です。

2.いわゆる健康食品への警告表示の義務化

医薬品との併用や二種類以上の健康食品の併用については安全性の観点から警告表示の義務化を図り、そのような表示を監視する法執行体制を強化して下さい。

3.「特定保健用食品」(トクホ)と「栄養機能食品」への法執行強化と制度見直し

特定保健用食品及び栄養機能食品の広告・宣伝、販売方法の実態を踏まえ、違反事業者への厳正な法執行が必要です。また、トクホには2年前の消費者委員会の意見を踏まえ即刻更新制度を導入すべきです。

4.事故情報の報告義務化

事故の未然・拡大防止のために、事故発生の際に、事業者・販売者に行政機関への報告義務を課す制度の導入が必要です。

5.因果関係が不明であっても公表する被害防止に向けた食品事故公表制度の導入

健康食品の場合は健康被害と食品との因果関係がすぐには明確でない例が多いのが実態です。その場合は、予防的観点から、因果関係が不明であることを前提に一定の基準を設け、迅速に公表する制度を導入して下さい。

6.新食品表示法への統一的検討

現在検討されている「食品表示一元化法案」(新食品表示法案)に健康食品の誇大・誤認表示の是正措置を盛り込んで下さい。その際は、食品衛生法、JAS法、健康増進法の3法だけではなく、景品表示法、薬事法、特定商取引法、酒税法、計量法など、その他の表示関連規定法も検討対象に含めるべきです。

以上

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