機能性表示食品制度は欠陥制度です〜速やかな制度見直しを求めます〜

申し入れ・要望

≪機能性表示食品制度は欠陥制度です〜速やかな制度見直しを求めます〜≫

2015年4月10日

≪内閣府消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長 宛≫

主婦連合会

 4月1日、食品表示法が施行され、食品表示基準の中で規定された機能性表示食品制度(以下、本制度)がスタートしました。
 これまで食品に機能性表示が認められていたのは特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品の二つだけでした。トクホはその有効性や安全性を国が審査し許可する仕組みです。栄養機能食品は限られた栄養成分に限定し、国の規格基準に適合していた場合にはその栄養成分の機能を表示して良いとする制度です。新しい機能性表示食品制度は、以上の二つとは根本的に異なり、機能性や安全性の判断を事業者に託し、事業者の責任で表示させようというものです。機能性、安全性を示す根拠書類は消費者庁への届出制ですが、届出内容の審査、チェックを行なわないことを消費者庁は明言しています。これまでは人が摂取するもので機能性を表示するものには、国によるチェックが行なわれてきましたが、わずか1年程度の検討で安全と機能の担保を事業者の自主的判断に委ねた食品の機能性表示を容認する制度が導入されたことになります。しかも届出制度の詳細を示すガイドラインの案が発表されたのは施行まで1か月足らずの3月2日のことでした。
 消費者を更に混乱させるのは、上記の3種類に加えて、そのどれにも属さない「いわゆる健康食品」も、様々な問題を抱えた現状のまま存続するということです。
 消費者の選択の権利は、表示が正しいときに初めて実現します。届出情報を公開するからといって、消費者自身が安全と機能を検証することはおよそ不可能です。本制度は、責任を事業者に、リスクを全面的に消費者に引き受けさせる極めて問題のある制度であると同時に、その規定の仕方にも違法性が疑われる欠陥制度です。
 主婦連合会は、以下のとおり本制度の欠陥を指摘し、抜本的見直しを強く求めます。

【機能性表示食品制度の欠陥】
1.法律から逸脱した内閣府令
 今回消費者庁は、まったく新しい機能性表示を解禁し、届出制をとる本制度の創設を、内閣府令(食品表示基準)で行っています。このような制度創設は本来法律で行なうべきもので、本制度を規定した内閣府令には違法性があり無効である可能性が高いと私たちは考えます。

2.そもそも食品表示法は機能や安全性を定めるものではない
 食品表示基準は「表示」の基準であり、機能の科学的根拠や安全性などの要件を規定するものではありません。本制度を創設するためには、トクホのように健康増進法での規定などが必要となるはずです。

3.安全性や機能性の根拠に関する事項はガイドラインで示されているにすぎない
 本制度の具体的な要件は内閣府令(食品表示基準)ですら示されておらず、ガイドラインで定めているにすぎません。消費者の安全や食品の機能性の根拠に関わる要件がガイドラインで示されるだけで良いはずがありません。ガイドラインを遵守していない場合にどのように対処されるのかも不明です。

4.健康被害情報の報告義務、公表制度がない
 ガイドラインでは、健康被害情報は事業者が収集し、被害発生及び拡大のおそれがある場合は消費者庁に「速やかに報告する」と書かれています。しかし、あくまでガイドラインに書いてあるにすぎず、いかなる義務も罰則規定もありません。また、被害情報については、個別に「医師への診察を勧める」ことや「摂取を中止させる」との記載がガイドラインにありますが、被害の未然防止・拡大防止のために公表することについては、何の言及もありません。これでは被害拡大を防止することが困難であることは明白です。

5.品質を担保する定めがない
 品質を担保するための規定がなく、どのような方法で「生産・製造及び品質管理」を行っているかを届け出ればそれでよい、とガイドラインに書かれています。サプリメントやその他の加工食品の場合、cGMP(Current Good Manufacturing Practice)に準拠した品質、製造管理を義務化する必要があります。そうでなければ、成分の配合ミスなど、危険な機能性表示食品が市場に出回る可能性があります。

6.健康被害、経済的被害の発生、拡大は必至
 機能性表示を事業者の自主性に委ね、その責任を事業者だけに任せ、行政はその責任を回避し、しかも規定の仕方そのものに重大な欠陥がある本制度により、消費者の健康被害、経済的被害の発生、拡大は必至です。


【機能性表示食品制度への要望】
1.市場に出た機能性表示食品について、安全性および機能性の根拠に関する調査を幅広く実施し、調査結果を踏まえて適切な措置を施し、その情報の公表を行ってください。

2.被害事例を把握し、内容および対応を公開してください。被害が潜在化することのないよう、十分な情報収集体制を構築してください。

3.消費者が、トクホのような国の審査を受けて許可されたものと混同しないことが重要です。ガイドラインの表示事項点検表では「消費者庁長官による個別審査を受けたものではありません」と表示すると掲載されていますが、食品表示基準に係る通知・Q&Aにあるように、「機能性及び安全性について国による評価を受けたものではありません」との表現の方が消費者の誤解を招かず商品選択に資すると考えます。後者の表記の義務化を求めます。

4.被害防止の観点から、速やかに、欠陥だらけの機能性表示制度の見直しに着手してください。その際は、機能性表示食品の制度のみならず、トクホ、栄養機能食品、及び「いわゆる健康食品」を含めた健康食品全体について、制度の整合性、消費者の安全の確保、適正な表示に基づく消費者の選択の機会の確保の観点から、抜本的な制度見直しを行うことを強く要望します。

以上





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